アロマセラピーの目的と働き

アロマセラピーが人生に意味するもの

私はセラピストとしての長年の経験から、アロマセラピーの効果は「リラクゼーション」「癒し」「心身の健康促進」という言葉では十分に表現し切れないと考えています。クライアントがどんどん変化されていく様子を目の当たりにして、アロマセラピーはそれらの言葉よりも更に大きな意味を人生にもたらしてくれると実感してきたからです。

香りの作用によって素直な自分との出逢いが重なり、自分にとって何が大切であるのかに気づきやすくなります。そうして自己理解や自己受容が進むうちに、人を思いやる余裕が心身に生まれてきます。それは大切な人々と温かい人間関係を築いていくことにもつながります。

そして心身の緊張が解放されると共に得られた安心感が、その人の自然体を引き出し、内部からその人らしい輝きが放たれるようになります。そのとき人は「自分の人生に満足を得ながら、自分らしく生きている」という実感が持てるようになるのです。

アロマセラピーの実践によってまず心身が素直に動き、生命力が強壮され、今置かれている環境への捉え方が変化します。そして「心身が自ら治っていく」「自分の人生に満足を得ながら、自分らしい人生を送れるようになる」。このふたつの点にこそ、アロマセラピー療法の真の目的があるように思えてなりません。

アロマセラピー療法は、医療では補えない部分をも含め、一人ひとりの人生を支えていくものでもあるのです。

アロマセラピー豆知識

もともと「aroma」という言葉は、ギリシャ語の「植物に含まれる芳香物質」を意味しています。しかしその後「aromatherapy」という言葉がフランスで生まれたことから、アロマセラピーはどうしても西洋医学的な見解に立つものと理解される傾向があります。

植物のエネルギーが持つ力を理解し、また植物と人間との関係性について実体験を重ね理解を進めていくと、アロマセラピーが伝統医療的な見解と活用法においてその効果を発揮してきたことが分かります。

西洋では1900年代の科学や機械技術の進歩と共に新薬の開発も進み、対症療法としての医療が急速に発展を遂げて今に至っています。しかしそれ以前は伝統医療と同様に、自然界の植物・鉱物・動物の力をシンプルに利用する「ホリスティック医療」が実践されていました。

人体や病気の解明・治療の研究において素晴らしい進化を続けてきた西洋医療においても、現在はホリスティックの視点を取り戻し、科学技術と合わせて患者の治療にあたることが不可欠であるとの見解が示されています。




アロマセラピーがもたらす作用

ここで一例をご紹介し、アロマセラピー療法が持つ特徴と可能性を示してみましょう。

例えば軽い火傷をしたとき、その部位にラベンダー精油を適切に用いると瘢痕形成が進み、早く治癒するという結果があります。これはラベンダー精油に外用治療薬と似た働きがあることを表しています。

しかし気分が落ち込み心身のめぐりが滞っているときに、ラベンダーの香りを心地良く感じないにもかかわらず「心身の緊張緩和に役立つ」という理由でラベンダー精油を用いたハンドマッサージを受けたところで、効果は上がりにくいのが事実です。

人気の高いラベンダーといえども、人によってはその香りを心地良く感じなかったり、鎮静作用とは逆に覚醒作用が働き眠れなくなったりすることもあります。これは私たちの体がもともと持っている生理機能の働きによる現象です。

ラベンダーの香りを心地よく感じなければ脳神経は休まらないうえ、心身の緊張を解放する深い呼吸も生まれず、結局は心身の健康促進に繋がりにくくなります。つまり、実際に効果が出ているのか否かの答えは、常に私たちの心身の反応に現れているという訳です。

嗅覚神経から伝わってきた香りの刺激には、脳の扁桃体という部位が「快」の判断を下します。すると記憶中枢の海馬、自律神経やホルモン分泌系及び自然治癒力や恒常性機能の向上を司る「視床下部」に良い刺激を伝達します。

反対に扁桃体が香りを「不快」と判断した場合、コントロール中枢「視床下部」に向けて情報を伝達しないようブロックされる仕組みになっているのです。これは、生命を守っていく上で人間の体に備わっている素晴らしい防御反応の一つといえます。

ラベンダーの香りを心地よく感じなければ脳神経は休まらず、心身の緊張を解放する深い呼吸も生まれません。結果心身の健康促進には役立ちにくいということになります。つまり、実際に効果が出ているのか否かの答えは、常に私たちの心身の反応に現れているという訳です。そのうえ、快を感じる香りによって脳の中枢部の活性化が図られる際には、扁桃体において「愛情ホルモンオキシトシン」や「癒しの神経伝達物質」の分泌促進がもたらされています。

香りによって引き出される懐かしい思い出との再会は海馬神経の活性化を図り、記憶力の強壮や潜在能力を引き出しにまで迫っていきます。香りは「子どもの頃の自然体の自分」との再会を起こし、改めて自分らしさを取り戻していく機会にもなるのです。

10年ほど前までは萎縮した神経は再生しないと考えられていましたが、その後研究が進み、嗅神経・海馬神経・扁桃体神経の再生が可能であることが解明されました。
好い香りの刺激は嗅神経の再生を促し、海馬や扁桃体の神経細胞の活性化に役立つことが証明されつつあります。今正に、認知症の予防・症状改善にアロマセラピー療法を用いる研究が進められているところです。

人間の体の仕組みを超えるものがこの世に存在するのでしょうか?この素晴らしい仕組みは、宇宙の全ての力を集結して造られている!と言っても過言ではありません。アロマセラピストとして多くの方々の心身にふれさせてもらってきた私の心からの実感です。

© 2018 - 2020 アロマの音色 ko / All rights reserved.